本町のホテルシューパロ裏手に昔ながらのラーメン屋さんがあります。店の名は「のんきや」 おばあちゃんが一人で切り盛りしているお店です。お店は戦後の石炭増産で沸いた昭和26年に開業し、おばあちゃんは昭和43年からずっとのんきやを守ってきました。ラーメンの味は誰もが懐かしいという、さっぱりとした味。それは昔、母が作ってくれたラーメンの味のようでもあり、素朴な味わいにじ〜んとなります。

　最近メディアの取材で一般に知られるようになり、休日は行列が出来て1時間くらい並ぶ事もしばしば。随分前の話になりますが、「のんきや」を紹介したテレビ放送がありました。その内容は…この店にテレビ取材が来ていた時、たまたま一人の若者がお店に駆け込んできました。彼の父親は明日をも知れぬ重体で、父の最後の願いが、この「のんきや」のラーメンを食べたいというものでした。夕張の人はみんなのんきやのラーメンで育ったので、このラーメンがふるさとの味なのです。父の最後の願いを叶えるために息子は札幌から車を飛ばし、タッパーにラーメン汁と麺を詰めて持ち帰るというエピソードが放送されました。（注;細かい内容は間違っているかもしれません）　ちょっとホロリとさせる話で、感動したのを覚えています。
　ただ有名になって、地元の常連さん以外に色々な人が来る（私もその一人 ）ようになったでしょうから、中には傍若無人なお客がおばあちゃんを困らせたりしていないかと、ちょっと心配になります。

ラーメン「のんきや」外観。
別に魚眼レンズで撮ったから、曲がっているわけではありませんよ。雪の重みで倒壊しないかとちょっと心配です。


















のんきやのラーメンは「しおラーメン」が一番！
あっさりした味の中にも深みがあり、スルルッっと一気に行けてしまいます。この味には誰もが「ウマイ」と言わしめることでしょう。


















こちらは「正油らーめん」せっかく行くなら、両方試してみるのもいいかも。





















ミツ子おばあちゃん。
快く撮影に応じてくれました。いつまでもお元気でみんなが幸せに感じるラーメンを作ってくださいね。

（お店を訪れる皆様へ）
お店はカウンターのみ数人で一杯になってしまうので、みんなで仲良く食べましょうね！

















のんきや その後・・・
2007年６月、久しぶりにのんきやに行くと店が新しくなっていた。数年前にあのおばあちゃんが、お亡くなりになったそうだ。今は娘さんが夕張に戻り、おばあちゃんの遺志を継いであの味と店を守っている。しばしお話ししたが、今の夕張は何も残っていないと嘆かれていた。炭鉱はもとより、通った学校も、本町商店街も、私を懐かしく心安らかにしてくれる人々も風景も全てなくなりました。子供の頃からあるものなんて、家の近くの坂道しかないんですよ・・・

しんみりといただいたラーメンは、ちょっぴり塩辛い味がした。おばあちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。

（夕張本町編 了）



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