夕張鉱業所の第二坑である大新坑は、もはや廃墟と化した遊園地のさらに山奥にひっそりと残されている。ここでは大新坑についての詳しい解説を省略するが、訪れた目的はただひとつ、教会のようなたたずまいのあの建物を一目見たかったからだ。雪解け後の時期を狙い、長靴に履き替え、山道を進むと確かにそれは存在していた。

破綻した夕張がマスコミで注目され始めると、この遊園地もよくテレビで見かけるようになった。小学生でもわかりそうなレベルの事を続けてきたツケが・・・興味があればこちらを参照

取り壊しが決まった遊園地の奥に眠る大新坑を目指す。











標高が上がると北斜面にはまだ残雪がある。ホーマックで購入した半長靴に履き替え、さらに進む。
















道の先に見えた時、息を呑んだ・・・！

教会建築のような荘厳さに畏怖すら感じる。
既に屋根は朽ち果てファザードだけが残る。
「圧倒的な廃墟美」の前にただ立ちつくすのみ。

このアメフラシのような異形のものは、風洞用扇風機。
この山奥に意思を持って彼は存在しているかのよう。

これほど絵になる炭鉱遺跡は、夕張の他にはない。
















となりにも目的不明の遺跡が残る。この下を軌道が走り、各施設まで結んでいたのだろうか。















木製トロッコも朽ちていた。
















再び扇風機。彼はとても絵になるから、腕のよい方なら良いアングルが残せそうだ。














大新坑より更に奥に進むと、北上坑がある。幾つかの坑口と機械室のような施設が残されている。中はコンクリートの台座のみであったが、エゾシカの糞で満たされていた。今は彼らのトイレのようだ。















付近はズリ山があり、その上部には更に施設跡が残っているが、目的不明のものが多く、ここでは割愛する。辺りは大新の沢の濁流がゴウゴウと谷筋に響き、俗な遊園地とは別世界である。

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