東京都 葛飾区編 1

◇ 立石編 イメージ ◇

■宇ち多 （葛飾区立石）

	宇ち多である。説明するまでもないが、もつ焼きの最高峰と言い切れる名店である。あの味はもはや神々の領域と思うほど感動的。大衆酒場の名店ひしめく立石にあっても宇ち多だけは一線を画している。つまりここは聖域なのである。
初めて訪れた時は風邪を拗らせていた。味覚が劣るであろう状態でも私の舌は、敏感に嵐のような感動を脳に伝達してくれた。私は風邪になると妙に感性が鋭い。酒場の年輪が刻まれた裸電球の灯る薄暗い店内、全てを見通し悟りを開いたような無駄のない動きの店員、飛び交う宇ち多専門用語、本当に旨いものを知ってやってくる常連達、肉厚の古いグラスに梅シロップを入れた焼酎、この店にとって刹那の時間しか椅子に座っていない自分が、まるで昭和のよき時代をたゆっているかのような心地よい酔い…。。。全てがエキセントリックに感じられ、宇ち多を強く印象付けた。万難を排して再訪した時も同じく以下、リフレイン…。
	なぜここまで賞賛するのか？ 詳しい記述がなく抽象的な文章だけでは説得力がないではないか？ では兎に角行ってみることだ。そこに解がある。私はカネにモノをいわせる高級フランス料理のたぐいなんかより、宇ち多のもつ焼きが好きだ。 初めて訪れる場合、何かと戸惑うことがあるだろうから、こちらで予習しておくと良い。 宇ち入り倶楽部

■鳥広 （葛飾区立石）
立石は上記の宇ち多や江戸っ子、ミツワなど「やきとん」イメージが強いが、鳥広はやきとりの看板を掲げている。ビル銭の帝国湯でひとっ風呂浴びてから、駅前の喧騒から少し離れた場所にある鳥広に向かう。評判の「たたき」（軟骨と薬味入りつくね）と冷えたビールが堪らない。銭湯上がりに飲み屋で一杯って、俺の人生の幸せのかなり上位にランクインされていると思う。メインのやきとりだけでなく、魚を中心にかなり幅のあるメニュー（小さいけど写真に写ってマス）で、単調になりがちな焼き物を補っている。駅前商店街密集地に比べれば住宅街の中にあるけど、その飽きさせないメニューと実力で、店内は入れ替わり満席状態。和気藹々とした雰囲気が心地よかった。




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