[特別編]




旧根岸競馬場一等馬見所
横浜市中区根岸台　根岸森林公園

　「圧倒的な存在感」
日本の競馬場発祥の地に建つ一等馬見所は、見る者に強烈なインパクトを与えている。
3つの塔からなるその頂には、人間の眼のような丸窓が施され、リーフの縁取りの中にある硝子フレームが、まるで瞳の様である。この特徴的な丸窓の意匠は、四方にバランスよく大小散りばめられ、異様なオーラを放っている。小高い根岸の丘の上から、巨人に見下ろされているようでどうも落ち着かないのだ。
　この一等馬見所の設計は、旧丸ビルや日本郵船ビルなどを手がけたJ.H.モーガンで、昭和4年の建築である。周辺は「モーガン広場」としてきれいに整備され、廃墟化したこの建物との対比を見せている。戦後米軍に競馬場周辺地域を接収されており、高台の一等地に米軍住宅や施設が広がる。一部返還された競馬場のコースは森林公園として一般に解放されており、馬の博物館も併設されている。

MM21が見渡せる丘に建つ。





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