［Comment］
　秩父鉄道の「影森駅」より石灰鉱山のある武甲山の麓に向けて専用線が引かれています。ここでは今や大変珍しくなった鉄道貨物による石灰輸送が行われていて、その光景をまじかに見ることが可能です。ロケーションも木製架線柱や鄙びたレールが続いており雰囲気を盛り上げています。

　まず空身のヲキやヲキフを牽引したデキが汽笛を鳴らしてやってきます。駅より20パーミルの勾配が続いており、砂を撒いて車輪が空転しているのが判ります。やがてホッパー前のポイントでいったん停止し、スイッチャーであるＤＬにバトンタッチします。このDLはかつて横浜根岸の専用線で働いていたもので、塗装も根岸時代の水色のままかなり濃いエクゾーストを出します。空身編成はホッパーの奥に消え、今度はデキが午前に採掘した石灰を満載してまた影森へと出発します。
　先日(2003.8)大手私鉄で唯一残っていた東武鉄道の貨物輸送がついに廃止されてしまいました。貨物輸送こそが鉄道が繁栄していた頃の証なのですが、鉄道斜陽の今となっては仕方のないことかもしれません。国内石灰鉱山も少しずつ縮小され、この秩父も予断を許さない状況なのでしょうが、がんばって欲しいものです。




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